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0宣言の保育園『こどな保育園』

「子ども心を忘れない大人になってほしい」。園名にそんな願いが込められた「こどな保育園」が、広島市内にあるマンションの2階に、2019年4月1日に開園しました。床と腰壁はヒノキ、天井と壁は漆喰塗りで、建築用の接着剤を使わない「0宣言の家」仕様の保育園です。園児たちは全員常に素足で過ごし、見学で訪れた子どもが誰に言われることもなく自ら靴下を脱いで素足で歩きたがるのも、自然由来のものに対する自然な反応といえるかもしれません。
この保育園を立ち上げたのは、自身も3人の子どもを持つ父親である青木俊介さん。3人目の子どもを保育園にと考えたとき、「こんな保育園があればいいのに」との思いが拭いきれず、「それなら自分で理想の保育園をつくろう!」と考えました。そんなときに知人に勧められて参加したのが住医学研究会の澤田氏の講演会。その内容に衝撃を受け、「嘘のない保育園をつくりたいという思いと0宣言の家のコンセプトがリンクしました」と、前例のない保育園の実現に向けて小田原ハウジングとタッグを組んだのです。

室内には素足で走り回る子どもたちの元気な声が響く。園児たちがお昼寝で寝転がる畳スペースに敷かれた九州産の畳は、農薬不使用で育てられたイ草でつくられたもの。
「通常の畳とは違って、イ草の香りが良いせいなのか、子どもたちのお昼寝の寝付きが良いように感じます」という保育士の声も聞かれる

床と腰壁の材料となるヒノキを使い、ツガを使った木製の棚や杉で造作されたロッカーなど、子どもたちの手に触れるものはほとんどすべてが温もりある無垢材。調湿効果のおかげなのか、汗をかいた手で床を触ってもベタつくことがない。天井から吊されたペンダントライトは、空に浮かぶ雲をイメージさせるものを選んだ

2歳児以上が使う“海のトイレには、年齢に応じたトイレトレーニングができるよう3種類の便器を用意

「自然と一緒」というコンセプトのもと、室内にいながらも自然が感じられるようにと、2つあるトイレの壁には昆虫や海の生物などをモチーフにした色とりどりの飾りがちりばめられている。「あ、テントウムシ!」と言って指差す園児もいて、子どもたちの興味や好奇心をそそることにもつながっている

緑を基調とした“山のトイレは0~1歳児が使用。おまるを使わず、幼児用の便器でトイレトレーニングを行う

手洗い台も園児たちが使いやすい高さを吟味。子どもたちのワクワク感を大切にしたいと、壁にはイルカをあしらった

身近に自然が感じられるよう、山のトイレ側の壁にはクローバーとドングリ。優しい色調の緑にも心和ませられる

子育て世帯が住みたい街として人気のエリアに開園した保育園。足腰の強い子どもを育てるべく、積極的に運動を行うようにしていて屋外にはテラスが設けられている。床にはクッション性の高い人工芝を敷き詰めているため、子どもが転んでもケガをしにくい

給食時に配膳台としても使える木製のロッカーは、高さがありすぎると転倒する危険があり、低すぎると園児たちが上に乗って落下する可能性がある。そのため、園児たちの 安全面を考慮して高さも吟味してつくられ、体をぶつけてケガをしないよう角も丸く仕上げるなどさまざまな配慮がなされている

保育園のコンセプトは「自然と一緒」とあって、雲の形をした照明を採用したり、生き物のモチーフを壁にあしらうなど遊び心がたっぷり。モチーフの中にある四つ葉のクローバーには、「本来クローバーは三つ葉ですが、何らかのキズが入ることで四つ葉になるそうです。子どもたちも小さいときの経験が糧になり、大人になってからの幸せにつながるように」という青木さんたちの願いが込められています。また、「食事と住環境から子どもたちの成長をサポートしたい」と、自然素材にこだわった内装に加え、併設の給食室では国産食材を使った無添加の手作り給食を徹底。外遊びやお散歩など自然体験を通して生きていく力の基盤となる体づくりも重視し、この少人数ならではの手厚い保育は保育士にとってもやりがいが大きいといいます。
保育士の人手不足に加え、2019年10月からは保育園の無償化がスタート。保育士と保護者の両方から選ばれる保育園になっていくことが求められる今、こどな保育園の取り組みには今後も期待が集まりそうです。