
W様一家が暮らしていたマンションは、結露がひどく床が浮き、カビの発生もあったことから、戸建てのマイホームを持つべく土地探しを開始。従来とほぼ同じ生活圏内の新興住宅地で土地は見つかった。その後、新聞に紹介されていた澤田氏の書籍で『0宣言の家』に心惹かれ、セミナーに参加。
「本物の無垢材と漆喰の家を建てたい」という思いを強くし、小田原ハウジングに家の建築を依頼した。歯科医師であるご主人以外は家族全員がアトピーで、『マンションに10年以上住んでいましたが、ずっと建材のニオイがしていました』と奥さま。家族が健やかに暮らせる家を求めてプランニングが始まった。
約22坪の限られた敷地を最大限に活用し、駐車スペースを確保した3階建ての家には、1階にご主人の書斎、3階に寝室と子供達の部屋を配置。広いLDKと水まわり設備を集約させた2階を生活のメインスペースとし、コンパクトに暮らせる家にした。デッドスペースを有効活用できる造作収納も随所に確保。奥様は花粉症もひどいため、外に洗濯物が干せないことから、ベランダは設けず、浴室乾燥機の完備と洗面脱衣室内を室内干しできる設計とし、結果的に洗濯も便利になった。

奥様念願の対面キッチンを明る東南側に配置したLDK。ここで生活のほぼすべてが事足りるという合理的な設計。吊り戸棚、窓際の本棚、ダイニング家具などもすべて造作。
LDKの向こうにトイレ、洗面脱衣室、浴室など水まわり設備が集合し、この上なくコンパクトに暮らせる間取りに。

壁側の上下に収納スペースをたっぷり確保したキッチン。食卓への配膳がしやすく、電磁波を発生させないラジエントヒーターも使い勝手がいい。

3階の娘さんの部屋。
日当たりが良く、この家自体をとても気に入っているとのこと。壁側には2つのクローゼットを作り付けている。

生活感がでないように洗濯機を隠す折れ戸を設けた。折れ戸を開けると洗濯機が2台。ここにも室内干しができるから便利。


▲カープの選手のサイン入りグッズが並ぶ小学生の息子さんの部屋。娘さんの部屋とともに子供たちがこもりきりにならないよう出入口にはあえてドアを設けていない
◀1階に配置されたご主人の書斎には、高気密・高断熱の床下収納庫も備えている。書棚やデスクなどの家具は重厚感ある色合いで統一。この外側には敷地いっぱいに家を建築しているためで幅の狭い給湯器を設置


家の両側にほとんど窓を開口していないのにも理由がある。花粉症がひどく、PM2.5や黄砂などの飛来も敏感に感じ取るという奥さまはできるだけ窓を開けないようにしていて、将来的に隣家が建つという想定も踏まえてのこと。『無垢材と漆喰の効果なのか、窓を開けなくても部屋全体が呼吸しているのが分かります』と奥さま。外出先から帰って家の中に入るとホッとするといい、『できるなら一歩も外へ出たくないくらい快適です』とのこと。ご主人も空気の爽快感を実感。高校生の娘さんはひどいアトピーの症状が緩和され、ほぼ治りつつある。さらに、光熱費は従来の半分に。『わが家が一番だと心から思えるのは本当に幸せ』と健やかな家づくりが完遂できたことに大きな喜びを感じているW様だった。

無垢材のスギを使った一枚板のカウンターに陶器製の手洗い器を備えたトイレ


駐車スペースは車のドアを開けても壁に当たらない開放的な設計。
防火地域だが、塗り壁仕上げでも規制をクリアしている。
外観はプロヴァンス風のイメージ。壁とドアのコントラストが鮮やか。


HOUSE DATA
□敷地面積
73.12㎡(22.12坪)
□延床面積
122.98㎡(37.20坪)
□工期
5カ月
□家族構成
ご夫婦+子ども2人
□構造
木造在来軸組パネル工法
□断熱
[クアトロ断熱]
内断熱(充填):セルローズファイバー
外断熱:ネオポール
遮熱塗り壁材:セレクト・リフレックス
調湿効果内壁:スペイン漆喰
□屋根材
S瓦
□外装材
遮熱塗り壁材(セレクト・リフレックス)
□床材
パイン材
□内装材
スペイン漆喰


室内の温度差が少なく、特に冬の朝はスムーズに布団から出られるようになりました。妻は静電気にも悩まされていたのですが、この家で暮らし始めてから和らぎました。おそらく無垢材に囲まれて過ごしているので、自然に体から放電されているのでしょう。娘のアトピーの症状も改善に向かっていますが、以前のマンションに暮らし続けていたらもっと悪化していたはず。『小さくても本当に良い家』を叶えることができて良かったです。