玄関開けたらそこはリビング!? 薪ストーブのある土間が和み空間に
煙突は曲げることなく屋根につなげているので、薪ストーブは玄関ドアの正面。広葉樹や針葉樹、竹など燃やせる材料の種類が豊富な機種を選択した
安芸郡熊野町/N様邸
15年前、将来的な建て替えを前提に戸建てを購入したN様。ご主人の定年を前に建て替えをと、住宅について学ぼうとしたところ、澤田氏の書籍を読んで共感。特に、「0宣言の家」の断熱性の高さと生体エネルギーに惹かれ、長く安心して暮らせそうだと感じ、「絶対にこの家を建てたい!」と強く思ったという。広島でもこの家を建ててもらえる工務店があることを知り、まずはセミナーに参加。現場見学会にも足を運び、消費税アップを前に建て替えを決意した。
念願の家とともに奥様が熱望したのが薪ストーブ。「広い土間を確保して、そこに薪ストーブを置きたい」という要望を踏まえ、玄関ドアの正面に薪ストーブを据えた土間を配置。寝室扱いできる和室とLDKで土間を挟むというユニークな間取りが実現した。和室とLDKの引き戸を開放すれば、3つの空間を一つの大きなリビング空間として使え、「家の中で一番のお気に入りは玄関。ここが家族団らんの場になっているんです」と奥さま。薪ストーブのおかげで冬でも寒くなく、遊びに来たお孫さんたちもここで遊びたがるほど人気の空間になっているそうだ。
玄関から中に通された人誰もがこの光景に驚く。薪ストーブを据えた土間。漆喰壁には舞い落ちるイチョウの葉
一枚のステンレスから職人が作る松岡製作所のオーダーキッチン。掃除しやすいよう下はスケルトンにし、収納棚は自作です
広めに確保したパントリー。小田原ハウジングの提案で、手持ちのタンスも活用できるよう、採寸して設計しました
明るいリビングを前にしたキッチンは、やさしい木の空間に合うようにステンレスと木を併せて製作された、奥さまお気に入りのオーダーキッチン。背後には広めのパントリーを設けた。漆喰壁の塗り方を空間ごとにあえて変えていたり、モミジやイチョウなどが浮き上がって見えるようなあしらいからは、職人が楽しみながら仕事をした様子も伝わってくる。
「生活していると蓄積されてくる独特のにおいもなく、もちろん結露もありません。遮音性も高いと思いますし、家族の花粉症も緩和されたような気がします」と、家への満足度はかなり高いようだ。玄関の外回りやキッチン下収納など、これから自らの手ですこしずつ完成させていく楽しみもあり、N様の理想の家づくりはこれからもまだ着々と続いていくようだ。
寝室として、あるいはゲストルームとしても使える和室。引き戸を開放すればリビングの一部にもなる、いわば多目的空間
和室引き戸の引き込み部分にあたる漆喰壁にはモミジが舞い落ちたようなあしらい。こうした遊び心も楽しい
洗面台は誰かが入浴中でも使えるように、脱衣室と切り離して独立させました
2階の書斎のみ、天井、床、壁までパインで統一
手作りのポストや、自分達で敷いた枕木やレンガなどがぬくもりを感じさせる玄関。庇が大きくせり出しているため、雨の日の出入りも濡れにくい
白い壁面と薪ストーブの煙突が目を引く外観。来客時も困らないよう駐車スペースはゆったり確保