広島市・呉市で注文住宅を建てる工務店《小田原ハウジング》

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暮らしの「ふつう」

多忙で長らくご無沙汰していた図書館に 最近時々行くようになりました。本屋では気になってもどれもこれも購入するわけにもいかないけれど、図書館ならその時のインスピレーションで気軽に何冊も借りることができます。

環境についてだったり、建築、アート、文化史、食、草木、暮らし、インテリア・・・ジャンルは様々。何より、選ぶのにあまり時間を取らずに、ピンときたものを書架から借りて帰ります。今回借りた中から真っ先に読み終えたのがこちらの2冊。

「ハレとケ」という柳田國男氏によって見出された「非日常」と「日常」の世界観のうち「ケ」というものにフォーカスした展覧会の記録。そして、インダストリアルデザイナーとして無印良品開発にも加わっておられる深澤直人氏の「ふつう」へのこだわりをまとめたもの。そのどちらもが、日常の暮らしの中の美をどう捉えているかというテーマでもありました。

どちらもデザインに関わる内容なのだけど、いわゆるパキッとしたすぐに目を引くデザインではなく、日常の中に脈々と続く「ふつう」の美を求めている視点で書かれていて、とても共感できました。アートとしての研ぎ澄まされた美も素晴らしいけれど、私は自分の日常の暮らしの中にも「ふつうの美しさ」を感じていたいから。

先日、あまり体調がよくないとぐずぐず言う母が久しぶりにうちに泊まりに来て、それにも関わらず、おしゃべりに花が咲きました。母の目には、私の暮らしぶりが新鮮に映ったようで、家具やその配置、食器棚の中の小物一つ一つ、「これ、いいわね~」「これは何?何に使うの?」と興味が尽きなかったようでした。なあんだ、結構元気じゃないの、これだけしゃべっているならば・・・(笑)という感じでしたが、改めていろいろ聞かれて説明していると、確かに、私なりの好みで集まってきたものやこだわりが詰まっているんだなあと再確認した私でした。

中でも、食器棚の各段すべてに、さらしの白い布をピタッとしいているのを良い、良いと言ってくれました。食器をそのまま置くより、ソフトな感触なのと、汚れたら洗える清潔感、食器が映える感じ。ビニールっぽい既製品は好みじゃないので、シンプルにやっているだけのこと。ただそれだけど、あ、もしかしたら、これは私の「ふつう」ってことなのかなと振り返って思いました。

本には、深澤直人氏が「みんなが上質なふつうを知っていた方が国としては豊かである」と書いておられて、確かに、そうだろうなと感じました。小田原ハウジングが手掛ける「0宣言の家」も、自然のチカラを生かす素材を使った家で、昔ながらの職人さんの技ありきの家。その「当たり前」や「ふつう」だったことの良さを大切に家を建てている。これは「ふつうだけど上質」ということに当てはまるのではないかな。そういう豊かさが広がっていくといいな~と思いました。

これからも、「ふつう」を磨くことを日々楽しんでいきたい広島オフィススタッフ ミタライでした。