広島市・呉市で注文住宅を建てる工務店《小田原ハウジング》

医師が認める

本物の健康住宅

皮膚科医 國井 隆英 先生

院内で気持ちよく過ごして欲しいから、
化学物質を使いたくなかった。

皮膚症状は、自分の体の異常を知らせる信号。

その日の体調が肌の調子にあらわれることは、みなさんもご存知でしょう。東洋医学に「病の応(病態)は大表(人体の表面)に見る」という言葉がありますが、体の内部でどんなことが起きているのか、その状態を示しているのが私たちの皮膚です。

私のクリニックでは一般的な皮膚科もやっていますが、皮膚疾患は非常に多様で、西洋医学的な治療だけでは改善しないこともよくあります。
たとえば、通常のアトピー性皮膚炎であれば、ステロイド剤を塗り、抗アレルギー薬を飲んでもらうのですが、重症のアトピー性皮膚炎の場合、それだけでは症状を抑え込めません。ステロイドを内服したり、大学病院で光線(紫外線)療法を受けてもらうこともあります。
しかし、紫外線治療ではどうしても日焼け後のような色素沈着を生じてしまいますし、長期間続けると発癌のリスクも生じてきます。
治療がうまくいっても再発を繰り返す人がいるのも事実です。
そうした人たちの苦しみを軽減する方法はないかと模索し続け、漢方という別のアプローチが有効な患者さんも多いことがわかりました。以来、診療に中医学を取り入れています。

皮膚疾患は食べ物と関係していることが多く、食生活をはじめとする生活習慣を見直すことは大事です。しかし、漢方で体全体のバランスを取り戻し、体の自然治癒力を引き出すなど、なるべく薬に頼らない生活に戻してあげることは、患者さんの明るい未来につながると思っています。

私が中医学に期待するようになったきっかけは、もう一つあります。それは、先の東日本大震災です。
2年半前に東日本大震災が起きたとき、私は公立相馬総合病院の皮膚科に勤務していました。
公立相馬病院は、福島県でも津波による被害の大きかった浜通りの北部に位置する病院です。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、震災後の混乱の中、勤務医、スタッフのほとんどが現地にとどまり、奇跡的なチームワークで地域医療を死守したことで、その健闘ぶりが「週刊ポスト」にも紹介されました。当時の様子は今でもはっきり覚えています。
余震も冷めやらぬ中、津波によって薬も何もかも流された人たちが、「薬を処方してくれ!」と、病院に押し寄せてきました。ところが、肝心の薬が不足していました。交通も寸断され、通信もままならない状況では、いつ、どれくらいで薬が届くのか、目処も立ちません。
食糧や医療物資が不足する厳しい現場で、私たち医師は、患者さんにただひたすら数日分の処方箋を書き続けるしかありませんでした。
しかし、薬がなければ困る患者さんは大勢います。血圧が上がってしまう人、不整脈が起こってしまう人など、薬で何とか体調を維持している人々を目の前にして、今の医療の実態を突きつけられた思いがしました。
その薬でないと抑えられない症状もあり、西洋薬が必要なことは言うまでもありません。ただ、少しでも薬への依存を減らせられれば、その分、理想に追いつけるのではないかと思っています。
震災後は、精神的なストレスで、重症の円形脱毛症を患う方もいましたが、漢方や耳ツボなどの経絡を刺激する治療でよくなった例もあり、中医学への期待はさらに高まっています。

新しくクリニックを建てるにあたっては、漢方で個人の生活の質を高めたいという思いから、診療所も化学物質を極力使わない、「木の家」にしようと思っていました。
皮膚の疾患は、家の素材から影響を受けることもあります。
たとえば、震災後に建てられた仮設住宅に入ってから目がかゆくなる、発疹が出るなど、いわゆるシックハウス症候群と呼ばれる症状が、何人もの人に出現しています。同じ仮設住宅に住む人に同じような症状が同じような時期に出現していたこともあり、おそらく仮設住宅の建材に含まれている揮発性化学物質が影響しているのではないかと思っています。また、もともと体にアトピーの素因を持っていれば、入居が引き金でアトピー性皮膚炎が悪化する可能性もあります。
病気になり、体内のエネルギーが落ちると、気持ちまで沈んでしまいがちです。漢方でそれを補うのはもちろんのこと、せめてクリニックにきたときには、いい環境で過ごしてもらいたいと思っています。

「木の家」を建てたいと思いインターネットで調べていたときに出合ったのが、住医学研究会です。体に悪い影響を与える材料はできる限り使わないとするコンセプトに惹かれて、すぐにオープンハウスを見に行き、お願いしようと決めました。
決め手になったのは、やはり接着剤や木工用ボンドなど、余計なものを徹底して使っていないことです。厳密に言うと、当院の場合は土足にしようと思っていましたので、衛生面も考えて、床だけは無垢とはいきませんでしたが、「木の香りが気持ちいい」「居心地がいい」と、患者さんからも好評です。

開院してまだ半年ですが、私が建ててよかったなと思うのは、空気がきれいなことと、ホコリが少ないことです。見えないところも含めて合板を使っていないので、ホコリが舞う要素が少ないのだと思います。
アトピー性皮膚炎を、成人になって発症する人の多くは、家のホコリやダニなどハウスダストが大きな原因だといわれています。肌についたホコリやダニの死骸に皮膚が反応し、炎症を起こしてしまいます。
また、子どものときにアトピー性皮膚炎を発症した場合、大部分の人は成長するにつれてよくなるのですが、再発する人というのは、社会人になって一人暮らしを始め、部屋の掃除をまめにしていないケースが多いようです。ホコリだらけの場所で生活した結果、せっかく落ち着いていた症状がぶり返してしまうんですね。食べ物の偏りからくるストレスも当然よくありませんが、外的要因の方が圧倒的に大きいのです。
そういう視点からも、患者さんのいる空間にハウスダストが少ないというのは皮膚科にとって大きなメリットだと思います。

皮膚を診るのは、胃カメラで胃の粘膜を観察するようなもので、皮膚科の場合、最も重要な情報が目の前にあります。どんな小さな皮膚症状も体調の変化を示している可能性があります。
しかし、患者さんの体力や免疫力が落ちているときは、目に見える症状を「敵」として無理やり薬で抑えるより、漢方薬などを使って体のエネルギーを回復させる。つまり「味方」を補強して、体の中をいい環境にしてあげることのほうが大切なこともあります。
家も同じで、目に見えない部分から環境をよくすることで、住む人に元気をプラスしていける。たとえ元気がないときでも、そこに戻ってくるだけでエネルギーが充電されるような、0宣言の家にはそんな効果があるのではないでしょうか。

國井 隆英 先生 プロフィール

東北大学医学部卒業。いわき市立磐城共立病院 内科 初期研修を経て、東北大学 皮膚科 入局。その後、いわき市立磐城共立病院、十和田市立中央病院、岩手県立胆沢病院、公立相馬総合病院に勤務したのち、貝が森皮ふ科を開院。医学博士。皮膚症状のほか、中医学(漢方治療)の相談にも応じている。

貝が森皮ふ科
宮城県仙台市青葉区貝ヶ森6-15-1
022-346-1522
http://www.kaigamorihifuka.com/